インクのICチップとはエプソン・キヤノン・ブラザーのインクカートリッジに付いている「ICチップ」とは何かご存じでしょうか。 ICチップとは「残量検知機能」とも呼ばれ、インクカートリッジのインク容量を測るためのものです。もともとは空刷り防止と、インクの中身を詰め替えても再利用できない仕組みとしてメーカーが作ったシステムです。 他にも、プリンターに専用のインクだと認識させる役割もあります。 今回はICチップの役割やメーカーごとの検知方式についてご紹介します。 ICチップの役割インクの残量が少なくなるとパソコンの画面もしくはプリンターにインク残量の警告が表示されます。 一部の互換インクは純正インクと同様に残量表示が可能なものもあります。しかし、リサイクルインクの中にはICチップは付いていても、残量表示ができないインクがありますので、ご購入の際に注意が必要です。 インク残量の計測方法「インクの残量が残りわずかです」と表示されてもまだ印刷できますが、実際プリンターはどうやって残りのインク残量を測ってるのか気になりますよね? インクカートリッジの残量の計測方法は大きく「ドットカウント方式」と「光学式」の2種類に分けられます。 ドットカウント方式(ICチップ利用必須)ドットカウント方式は、インクの使用量をあらかじめICチップに記憶させておいて、何回インク滴を出力したかという回数からインクの残量を検知する方式です。 実際にカートリッジに入っているインク自体を検知している訳ではないので、インクが切れたという表示が出ていても、実際は中に多少のインクが残っている場合が多いです。 インクを詰め替えたり、再利用(リサイクル)する為には、ICチップのリセットが必要となります。 光学式(ICチップがないインクカートリッジも存在)光学式は、光学センサーによって残量検知をしています。 光学センサーとは、プリンター内部でインクに光を当て、その反射光によってインクの有無を判別するシステムのことです。 この方式のメリットは、実際のインク残量を検知する為、ドットカウント方式と違い中のインクを殆ど使いきることができます。 また光学式のみを採用しているインクカートリッジは、ICチップのリセット等も必要ない為、インクを詰め替えて使用するのも比較的簡単になります。 またボトルインクの場合、インクを上限まで入れ、インクの補充を完了させるとプリンタ―側でインクの残量情報を更新します。 光学式とは明記されていないので、おそらく印刷時に流している分量を計測しているのだと思われます。 メーカー別インク残量検知方式エプソンエプソンはドットカウント方式のみを採用しています。 そのためカートリッジ使用後も実際は中にインクが残っていることが多いです。 また、カートリッジの中が目視できないタイプが多いです。 キヤノンキヤノンは光学式のみのプリンターと、ドットカウント方式・光学式の両方を併用するプリンターを採用しています。 ICチップを採用しているカートリッジは必ず光学式も併用するので、中のインクを殆ど使い切ってくれます。 ブラザーブラザーは型番によって計測方法が異なります。 LC12シリーズやLC09シリーズは光学式で残量を検知するため、ICチップが付いていません。 一方で、LC411シリーズやLC416シリーズではドットカウント方式で残量を検知するため、ICチップが付いています。 まとめ
今回はインクカートリッジのICチップについてご紹介しました。 インクの空刷り防止や残量検知などがICチップの主な役割です。しかし、カートリッジにICチップを付けなくてもインクの残量表示はできるんです。 実際にブラザーのインクやキヤノンのBCI-3eやBCI-7シリーズのように、 カートリッジにICチップはついていなくてもプリンター側の機能によってインクの残量を表示させる事は可能です。 また、メーカーによっては新機種のプリンターの販売に合わせてカートリッジの形状やインクの成分は同じまま、ICチップのみを変えて別のインクとして販売しているケースも多いです。 このようにプリンター側で補える機能を、わざわざ消耗品であるインクカートリッジに装着し、再利用しづらくしている点、他のインクを読み込ませないようにICチップのみを変えて、別のインクとして販売する点から「互換・リサイクル対策」というメーカーの思惑があるように感じました。 ちなみに、インク革命.COMのインクカートリッジは各メーカーインク型番ごとにICチップ対応しており、互換インクについては残量検知機能にも対応しているので、安心してお使いいただけます。 |