コンビニで、はがきの両面印刷はできるのか?

更新日:2021-10-25
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プリンターが最も売れる時期は年末です。プリンターを年賀状にしか使わないなら、いっその事、割り切ってコンビニではがき印刷が対応できないか?宛名面を含めて両面印刷はできるのか?解説します。

プリンターが一年で最も売れる時期

はがき印刷

自宅では殆ど印刷しない方が、一年を通して唯一プリンターを稼働させるのは、年も押し迫る12月に年賀状印刷をする事です。

年賀状の発行枚数は、2003年の44億5936万枚をピークとして、2021年は21億3443万2500枚になっています。

年賀状を大切にしてきた世代が年齢を重ねて、「年賀状じまい」をしている事に加えて、若年層ではLINEやメール・SNSを利用して年賀状を出さないなど、生活様式が変化している事から、2021年の枚数はピーク時の半分以下になりました。

プリンターの販売が最も動きを見せるのは年末で、メーカーも毎年新型モデルをリリースするのは10月頃が多くなっています。

12月の年賀状シーズンにしかプリンターを稼働させないユーザーの大半は、インクジェットプリンターを利用しています。

でも、インクジェットプリンターの宿命として、コンスタントに利用しない場合には、インクが固まっていて使い物にならず、いざ使おうと思った時に困った経験をした方も多いでしょう。そもそも、メーカーが設定しているインクカートリッジの開封後使用期限は、多くの場合6ヵ月になっています。

クリーニング作業を複数回繰り返して回復すれば良いのですが、インクカートリッジを新品に交換すれば、新たな出費が発生しますし、場合によっては修理が必要になる事もあります。

はがき印刷に必要なこと

はがき

はがきを印刷するのに、プリンターの利用の仕方は様々です。

年賀状や暑中見舞いでは、裏面は写真屋さん等で写真プリントをしたり、印刷屋さんやネットプリントで印刷をしたりして、宛名面だけ住所録からプリンターで印刷するユーザーと、表も裏も自分で印刷するユーザーに分かれます。

(ネットプリントでは宛名と裏面の同時印刷も可能になっていますが、今回は考慮しません)

年賀状をネットプリントで印刷するには、「年賀状印刷代金+消費税+年賀はがき代+オプション代+送料」の安くない費用が掛かり、それなりの枚数を出すユーザー以外は、割高になる事は避けられません。

微妙な言い回しですが、年賀状のライトユーザーなら、宛名面も裏面もプリンターで印刷したいニーズが高いと思います。しかし、プリンターもライトユーザーなら、利用しようとする度にイライラするストレスが溜まる事も多くなります。

年に数回しかプリンターを利用しないユーザーが、コンビニエンスストアで印刷できるなら、選択肢に入れるのは当然の考え方です。その場合、自宅ではプリンターを利用しない前提で考えた必要条件は、「はがき印刷ができる」「両面印刷ができる」です。

各コンビニエンスストアで、「はがき印刷ができる」「両面印刷ができる」を確認してみましょう。

コンビニのはがき印刷対応

はがき

セブンイレブン

セブンイレブンでは、はがき印刷ができます

メディア媒体にあらかじめ作成してあるデータを持ち込めば、はがき印刷が可能で、年賀状や暑中見舞い以外にも、旅先で撮影した写真をはがきにプリントして送る事もできます。

店頭のマルチコピー機に備え付けの、専用私製はがきが用意されています。

官製はがきや年賀状を持ち込むこともできます。

ただし、日本郵便が発行した定型の郵便はがき(100mm×148mmサイズ)のみ使用可能で、それ以外のはがきは持ち込み印刷ができません。現状、インクジェット用はがき・写真用はがきは使用不可です。

フチ無しでは印刷できません。周辺数mmは印刷できないスペースが生まれます。

○両面印刷

セブンイレブンでは、両面印刷はできません。フォト用紙と同様にはがきも片面印刷のみです。

○印刷料金

白黒 1枚20円    カラー 1枚60円

○利用できるメディア

microSD・メモリースティックDuo・コンパクトフラッシュ/マイクロドライブ・CD/DVD・SDカード・USBメモリー

無線通信Wi-Fiと赤外線IrDAも利用する事ができます。

○利用できるフォーマット

PDF(Ver.1.3 ~ 1.7)・XPS(Ver.1.0)・DocuWoks(Ver.3 ~ 7)・JPEG・TIFF(シングルページ)・BMP

PDF形式は、Adobe社が開発した世界に広く普及しているファイル形式で、使う端末のOSや種類を問わずに、作成者の意図がそのまま伝えられるフォーマットです。パソコンのソフトウェアを利用して作成したデータの多くは、PDFで保存する事ができます。Wordや年賀状ソフトで作成したはがきデータも、そのままでは利用できませんが、PDF形式で保存することにより利用する事が可能です。

XPS形式は、Microsoft社が開発した、電子文書を記述するためのXMLベースのマークアップ言語およびファイル形式です。簡単に説明すると、PDFの様な環境非依存の文書フォーマットのMicrosoft版です。2007年に発売されたWindows VistaおよびMicrosoft Office 2007から、利用できる様になっています。

DocuWoks形式は、富士フィルムが富士ゼロックスの時代から、同社の大型複合機コピー機でスキャンしたファイルです。拡張子は「xdw」です。

PDF・XPS・DocuWorksファイルは、複数ページが作成できるファイル形式ですが、はがき印刷では両面印刷ができないため、1ページを選択指定して利用します。

JPEG・TIFFの画像ファイルデーターサイズは、最小で「54pixel×54pixel」最大で「7,000万画素(縦pixel×横pixel)」です。

JPEG 2000は対応不可で、PDF等の文書ファイル内にJPEG2000が含まれる場合も対応していません。

○無線通信Wi-Fiと赤外線IrDAを利用した印刷

スマホに入っているデータを、「セブン‐イレブン マルチコピー」アプリを利用して、無線通信Wi-Fi・赤外線IrDAで店頭のマルチコピー機に送る事ができます。

iPhone用ダウンロード   Android用ダウンロード

ローソン

ローソンでは、はがき印刷ができます

メディア媒体にあらかじめ作成してあるデータを持ち込めば、はがき印刷が可能で、年賀状や暑中見舞い以外にも、旅先で撮影した写真をはがきにプリントして送る事もできます。

店頭のマルチコピー機に備え付けの、専用私製はがきが用意されています。

官製はがきや年賀状を持ち込むことは、できません。

フチ無しでは印刷できません。周辺数mmは印刷できないスペースが生まれます。

宛名面の印刷はできません。


○両面印刷

ローソンでは、はがき両面印刷には対応していません


○印刷料金

白黒 1枚20円    カラー 1枚60円


○利用できるメディア

SDカード・microSDカード・メモリースティックDUO・USBメモリー・CD/DVD

無線通信Wi-Fiと赤外線IrDAも利用する事ができます。


○利用できるフォーマット

PDF・JPEG・TIFF(シングルページ)


○無線通信を利用した印刷

スマホに入っているデータを、「PrintSmash」アプリを利用して、無線通信Wi-Fiで店頭のマルチコピー機に送る事ができます。

iPhone用ダウンロード   Android用ダウンロード


○クラウドを利用した印刷

「ネットワークプリント」アプリを利用して、あらかじめ作成してクラウド上にアップロードしてあるデータから、はがきを印刷する事ができます。

iPhone用ダウンロード   Android用ダウンロード

ネットワークプリントを利用した場合は、印刷料金が以下に変わります。

白黒:1枚30円、カラー:1枚70円

ファミリーマート

ファミリーマートでは、はがき印刷ができません


○両面印刷

ファミリーマートでは、はがき両面印刷だけでなくはがき印刷に対応していません


■総評

はがき印刷は、セブンイレブンとローソンで可能です。ファミリーマートははがき印刷に対応していません。

セブンイレブンは規定サイズのはがきは持ち込むことができるので、年賀状や暑中見舞いはがきを持ち込んで印刷する事ができます。ローソンははがきの持ち込みは不可で、備え付けの私製はがき印刷のみです。

宛名面の印刷はローソンでは不可です。

セブンイレブンでは特に謳っていない事から可能ですが、現実的ではありません。

表裏を同時に両面印刷することはできません。

PDFファイルは印刷できますから、1件の宛先を適正にレイアウトした上で1ページのデータにして、印刷すれば両面印刷は可能ですが、パソコンを使って年賀状ソフトを利用して宛名印刷する事に比較して、多大な労力を要します。

コンビニのはがき印刷手順

コンビニプリンター

簡単に操作方法を解説します。

セブンイレブン

  1. 店頭のマルチコピー機で「プリント」を選択
  2. 「はがきプリント」を選択
  3. はがき用紙を備え付けの私製はがきか、持ち込み官製はがき選ぶ
  4. メディア媒体もしくは、スマホのデータをWi-Fiか赤外線通信で読み込ませる
  5. 印刷するデータファイルを選択
  6. 部数等の設定を行って印刷

ローソンでネットワークプリントを利用

  1. 「ネットワークプリント」アプリをダウンロードしてインストール
  2. 会員登録をする
  3. 印刷したいデータをアプリ内に登録
  4. ローソン店頭に行く
  5. マルチコピー機にユーザー番号を入力してデータにアクセスする
  6. 印刷したいデータを選択する
  7. 用紙ではがきを選択して印刷

コンビニではがき印刷するメリットとデメリット

メリットデメリット

■メリット

自宅にプリンターが無くても、はがきを印刷する事ができます。

はがきを送る枚数が少ない場合でも、1枚から印刷する事ができます。


■デメリット

マルチコピー機が設置してあっても、ファミリーマートでははがき印刷に対応していません。

ローソンでは備え付けの私製はがきのみ利用が可能ですが、年賀状や官製はがきを持ち込んで印刷する事はできません。

セブンイレブンでは年賀状や官製はがきの持ち込みが可能ですが、両面印刷は対応していません。宛名面は手書きで書くか、自宅のプリンターを利用する必要が有ります。

後に人が並んでしまうと、落ち着いて作業ができません。

1枚あたりの金額は高いです。

コンビニで、はがきに両面印刷する方法

コピー機

コンビニのはがき印刷で、宛名面とデザイン面の両方を同時に行う両面印刷は、対応していません。

コンビニエンスストアで両面印刷されたはがきを作成する為には、デザイン面をコンビニエンスストアで印刷して、宛名面は自宅で印刷する事になります。


■コンビニエンスストアではがき印刷にメリットがあるケース

自宅にプリンターがあっても、以下の状況下なら、コンビニエンスストアではがきを印刷する価値があります。


○「自宅にあるのはモノクロレーザープリンターのみ」

自宅にカラープリンターが無くても、デザイン面をコンビニエンスストアで印刷する事で、両面印刷のはがきを出すことができます。ただし、年賀状など枚数を出す場合は割高になるため、積極的にはオススメしません。


○「年賀状を印刷している途中、あと数枚というところでインク切れ」

セブンイレブンでは年賀状の持ち込み印刷が可能なので、残りの年賀状を持ち込んで印刷すれば、新しいインクカートリッジを購入する必要が無くなります。

ただし、インクジェットプリンター用の年賀はがきを使用していた場合は、基本的に持ち込むことができません。セブンイレブンで受け入れている官製はがきは普通紙のみです。

基本的にと書いたのは、2021年10月からマルチコピー機が随時新型に入れ替わることが、2021年9月に発表されているからです。新型では、インクジェットプリンター用のはがきに対応する事も明らかにしているので、ご利用店舗で御確認ください。


■年賀状ソフトから印刷できます

オンライン無料ソフト「つむぐ年賀」を利用して、デザイン面をセブンイレブンで印刷する事ができます。

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「筆ぐるめ」・「筆まめ」の年賀状ソフトを利用しているなら、デザイン面のデータを、セブンイレブンのマルチコピー機で印刷する事が可能です。

「筆ぐるめ」・「筆まめ」のアプリケーションから、プリント予約ができて予約番号の発行ができます。

料金は通常のはがき印刷と異なり、カラー1枚80円になります。

「筆ぐるめ」・「筆まめ」等の年賀状ソフトを利用しているなら、宛名面は簡単に自宅プリンターで印刷する事ができます。前述の例外を除けば、基本的に自宅で両面印刷する方が安価で合理的です。

はがきの両面印刷は自宅印刷が最適です

パソコンを見る女性

年賀状ソフトを利用して、両面印刷に対応しているプリンターを使えば、一度にはがきの表裏を同時に印刷できる「自動両面印刷」が利用できます。

単純に印刷コストを比較すれば、明らかに自宅で印刷する方が安くなります。

印刷する枚数によっては、新たにプリンターを購入してもメリットが有ります。

家庭用インクジェットプリンターの売れ筋価格COMランキング1位は、キヤノン製PIXUS TS3330です。販売価格の最安値は6,600円です。

PIXUS TS3330の公式ページの仕様の中に、印刷コストがあります。

それによれば、L版写真インク・用紙の合計印刷コストとして大容量インク利用時に23.9円になっています。公式サイトで純正のL版用紙GL-101L400は、400枚入り1,857円で販売されています。L版用紙1枚の価格は4.6425円になるので、公称の23.9円から用紙代を差し引けば、19.2575円が純粋なインク代になります。

L版とはがきのサイズの違いは1.472441倍になるため、はがきのインク代は19.2575円×1.472441倍=28.3553円になります。インク革命でBC-346は2,270円で販売されているので、価格差を考えれば、はがき1枚あたりのインク代は、25.2222円に下がります。

この数値を元に、コンビニはがき印刷代80円として、印刷コストを計算してみます。

0枚 10枚 50枚 100枚 122枚 200枚
コンビニ 0円 800円 4,000円 8,000円 9,760円 16,000円
自宅 6,600円 6,852円 7,861円 9,122円 9,677円 11,644円

1枚も印刷しない時点では、自宅のプリンター本体代のみが計上され、コンビニは当然0円です。

122枚を印刷した時点で、プリンターを購入しても支払金額は安くなります。

プリンターは3年から5年程度は充分に耐久性があり、枚数が増加するほど金額差は開いていきます。

当然宛名印刷にも使えますし、自動両面印刷も可能なので手間も掛かりません。

はがき以外にも手元にプリンターがある事で、スマホで取った写真を印刷するなど家族で利用も広がります。

はがきの両面印刷は、自宅で行う事をオススメします。


 
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